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子安さんについて 甘く囁く…はずのない日記
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花咲ける青少年 第35話 「千年の幕開け」

暗殺に失敗し重傷を負ったクインザ。
しかし、花鹿と立人が駆けつけた時には既に姿はなかった。
一方、国民と軍隊であふれかえる空港にルマティが姿を現す。
十万の群集が聞き入る中、
ルマティはラギネイを導くために自らが『最後の王』となる事を宣言。
さらには、その命を捧げ全うする事を、国民に最大の敬意を表して誓うのだった。
それを移動中の車内で聞いていたクインザは、
王となるルマティのために最後の行動を起こそうとする。


東宮へ入った兄と会えない事を不満がるルマティ。
それを諭すように宥めるクインザ。
その時ベッドの上に散らばるビー玉に気付く。

『とても綺麗なものですね』

こうして見るともっと綺麗だぞ と窓ガラスにあて、
ビー玉越しに日の光を覗き込む。
続けてクインザも。

『おぉ…』

兄にも見せてあげたかったのに とルマティ。
覗き込んだまま ふっ と微笑むクインザの横顔。

何年前なのか分からないけど、2人ともこんなに小さな時から一緒にいたのか…。
こういう2人のやり取りがあまり描かれてなかったから
なんでこんなにクインザはルマティ第一なんだろうと思ってたけど。
10年位は仕えてたのか。
この頃のクインザは純粋な…本来のクインザの姿なんだろうな…。
ふっ と笑った優しい顔が凄く印象的で繰り返してしまった。


傷を負い、転落したクインザが目覚める。
ビー玉の光と太陽の光が重なる。
その光に手を伸ばし

「私の…王に…栄光を…」

花鹿と立人がその場に向かうと、既にクインザの姿は無い。
移動車の中で目覚めたクインザ。
変装して出て行くクインザの後を追ってきたというイオエ。

「失敗…したのか…」

簡易な止血しかしておらず、そのまま病院へ向かう。
傷の所為で辛そうな表情のクインザ

これ傷負わせたのって立人だよね…?
転落して負った傷…?
あの銃声はクインザに当たったってこと…?
というかこれ変装だったのか?(笑)
確かに変えた装いですけど。 そういうことか?


「ルマティ…殿下は…?
そろそろ空港に着かれる時間じゃないのか?」


ラジオをつけると、正しくルマティの演説が始まろうとしていた時だった。
報復が目的でここに戻ってきたのではない
ラギネイがもう一度、栄光を取り戻す為にここに戻ってきた
という言葉に思わず「殿下」と声を洩らす。

ラギネイの歴史が、再び千年続くようにと。
最も犠牲を払うべきなのは王宮だと。
この国を救う為に、最後の国王として即位する為に戻ってきたというルマティ。
一握りの人間が国家を操る事が出来ぬように
ラギネイを立憲君主国家から、共和制国家へと移行させる。
その為に、最後の君主としてラギネイを導いていく。
総ての国民と共に。
聖布を脱ぎ去り、国民や同胞達に最大の敬意を表し、命を捧げると誓う。

誰一人として動かず、物凄い歓声を上げる国民達。
ラジオから聞こえる歓声に

「ルマティ殿下…」

この表情が凄くいい顔してる…。
安堵とか喜びとか色々入り混じってて そして優しい顔。


思わず起していた体を再び横にし。
空港に向かうかと問われるも、

「いや、いい もう何も必要ない
私の想像を遥かに超えて… 殿下は成長なさっていた…この歓声…」


この歓声が全てを物語ってる。凄く…嬉しいんでしょうね…
見たことも無いクインザの表情。


表情が一転し、再度傷に呻くクインザ。

「王宮だ…王宮へ急げ…!」

傷を心配するイオエ

「殿下を…お迎えせねばならん」

それでも手当てが先だと言うイオエに

「頼む… 最後の…頼みだ」

何時もとは違う切実なクインザの頼みに、王宮へ車を走らせるイオエ。

『何の心配もない…ルマティ殿下なら大丈夫だ…
マハティ陛下の負の遺産など 障害にもなるまい
もう私に出来る事は…
ああ… そうだ ひとつだけ… 一つだけ ありました…』


何か思いついたクインザの表情はどこか晴れたような…。

ユージィンの「終わったか…」にはちょっと辛いものがありましたけども。
こんなに想っていたっていたのか…。


ラギネイ王宮に着いたクインザは、何時もの侍従装束の姿に。
しかしその表情は苦しさを増し、息も荒くなる。

「もう ここでよい…」

ノエイに肩を借りていたクインザ
それでやっと立っていられる様な状態で

「私から離れろ… 傍にいてはおまえの身が危うい」
「私と通じていた事は 全て伏せろ
お前は王宮内の 反国王派のリーダーだった事にするのだ」


自分はクインザと共に居る たとえ… と続けるイオエに

「ならんっ!」

一喝し、イオエから離れ1人で歩き出すクインザ。
なんという気迫…

「お前は侍従のトップになるのだ そして、ルマティ殿下をお助けしろ」
「それが…これからのお前の使命」


それじゃまるで…。イオエに全て託すかのような…
というかそうなんだろう…
それを感じ取ったかのようなイオエの表情…。


一人王宮を歩くクインザ。
あまりにも静かな王宮。これも全て自分が仕向けた結果。
1人行くクインザの前に現れたナジェイラ。
貴女でしたか と何時もの偽りの表情に変えるクインザ。
機嫌は宜しくないというナジェイラに、「申し訳ありません」と跪き手をとる。
そんなクインザの言動に、他に誰も居ないわよ とナジェイラ。
全てクインザの狙い通りになった
ソマンドは失脚し、その婚約者である自分も力を失う。
ルマティ以外王となれるものはいない。
もう何も隠しておく必要は無いだろう と。
顔を上げなさいと声を上げ、一度でいいから本当のことを言ってほしいと、
自分の事などどうでもよかったんだと、全てはルマティの為だったんだと。
それでもクインザは何時ものクインザであることを崩そうとしない。
それどころか

「私の愛情をお疑いとは…
私の何が 殿下にそのようなお考えを持たせてしまったのでしょう」


ナジェイラの手を握り

「このような結果になったのは残念でしたが…
ルマティ殿下は、シャドリ家を悪く扱われる事はないでしょう
ですから ルマティ殿下と協力して、国家の再建を」


そんなクインザにどうして…と声を洩らすナジェイラ。

「私も 殿下の幸せを願っております
次は間違っても…国家に身を捧げた男など 愛されませんように…」


優しい表情を向け

「お元気で…」

一礼し、その場を去っていくクインザの後姿を見送りながら、
手にしていた短剣を落す。
自分の負け。
ここまで自分を見ようともしない男…そんな人を殺しても仕方の無いこと。
とうとう最後まで真実を語ってはくれなかった。
一度でいいから本当の事を聞きたかった…
いや、嘘でもいいから愛していると言って欲しかった。
もしかしたら…という幻想を壊して欲しくなかった…。
その場に泣き崩れるナジェイラ。

ますます息が荒くなり、そのままソマンドの元へ。
私で御座います と声をかけても
もうクインザさえ誰なのか分からなく、怯えているソマンド。
そんな様子に、哀れむような悲しそうな表情で優しく語り掛ける。

「もう心配ありませんよ 陛下を助けてくれる方がいらっしゃいます」

助ける?それはクインザか?と問われるが、
顔を背けそれを否定。

「いいえ… ですがとても優しい方です」
「ですから その方のいう事をよく聞くのです
逆らったりしてはいけません」


素直に受け入れるソマンドに「いい子ですね」と。
言うと体に限界が近いのか、その場に倒れこむクインザ

『早く…早く来て下さい陛下…! きちんとお迎えしたい!』

体を這わせ、窓辺のカーテンから光を零す。

『貴方がが…この東宮にいらっしゃるのを…この目で見たいのです…』

窓辺の光に、昔見たビー玉の光を重ねる。

「あぁ…」








2週遅れですけども…。
もう次の回が放送されていますけども。
やっと見たらなんだこれは…。
久々に見たと思ったらボロボロですよ。
苦しみ掠れる声がもう…辛くてね…。
つくづくこういうところも上手いな…と。
そしてクインザが…本来のクインザの姿が…。
常に仮面を被っているような人だったけど、
今回はほぼ本当の素のクインザって感じで。
ノエイには地で接していたとは思うけど、
その信頼しているノエイに自分の全てを託して。
そして…ナジェイラ…
ナジェイラだけは何時ものクインザである事を通して。
これは……泣ける…
最初は、それこそクインザの言う単なる小娘だと思ってたけど…
何時の間にかここまでクインザを本気で好きになっていたなんて。
恐ろしいけど惹かれるとは言ってたけど、ここまでだったとは…。
そりゃ辛いよな…最後の最後まで本当の姿を、真実を見せてはくれなかったなんて。
でもそれでもいいから愛してると言って欲しかったって。
確かにクインザにとってナジェイラも駒でしかなかった かもしれない。
でもあの最後の優しい表情と
「次は間違っても…国家に身を捧げた男など 愛されませんように…」
という言葉は少なからず、ナジェイラの事を想ってのことだったと。
とうとう本当の事を言ってはくれなかったと言ってたけど
あの表情と言葉こそが本当のクインザなんじゃないかと。
何気に傷を負ってることを悟られないようにしてるところも凄いな…。
クインザが言ってた「私に出来ること」て結局…?
ソマンドに言った事?
王宮でルマティを迎える事?
次回に…かな?(もう放送してるけど)
ソマンドのところに行ったとき、正直殺すのかと思った。
ナジェイラもソマンドも今となってはもうどうでもいい立場で
殺す必要はないと思うけど。
でも消そうとしてたんだとばかり思ってたから。
なのにナジェイラに対してもソマンドに対しても…
凄く良心が溢れてたような…
どうみてもあの表情は偽りじゃないよね。
あんな優しい顔…。

私がずっっっと恐れていた未来が来るんだろうと思うと
次回見るのが恐いけど。
でもよかった…
心底悪い奴ではない と信じていて。

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